転職活動において自分を企業に売り込むための最初の手段は、履歴書と職務経歴書が全てと言っても過言ではありません。
どれだけ素晴らしい経歴の持ち主であったとしても、その経歴が企業の採用担当者に伝わらなければ、書類選考に通過することは難しいからです。
同様に転職エージェントに依頼する場合も、履歴書と職務経歴書に書かれている内容があなたを判断する全ての情報となります。
あなたの経歴に転職エージェントが魅力を感じなければ、転職先の企業を紹介してくれることはないでしょう。
より魅力のある経歴をもった方を紹介した方が効率がいいですからね。
このページでは僕が実際に企業に提出した履歴書に基づいて、履歴書の書き方を紹介します。
40代から50代ぐらいの年齢層をターゲットにしていますが、30代の方にも参考になると思いますので、履歴書を書き始める前に是非お読みください。
落とされない履歴書の書き方
「えっ、書類選考に通る履歴書の書き方」じゃないの?
と思ったあなたは鋭いです(上から目線でスミマセン)
そうなんです。
履歴書は「受かるため」ではなく、「落ちない」ように書くことが最大のポイントです。
このページで僕が伝えたかったことはこれが全てと言っても過言ではありません。
どういうことかを詳しく解説していきます。
40代~50代の転職活動における履歴書の位置付け
ご承知の通り、履歴書はあなたの学歴・職歴・資格・賞罰などを時系列で記載する文書です。
学校名、所属していた会社名、資格・免許などの事実情報を時系列に記述していくだけですので、履歴書の作成で苦労することはほとんどないと思います。
これからお伝えする話をしてしまうと身も蓋もないのですが、40~50代の転職活動において、履歴書の記載内容であなたが企業からプラスの評価を受けることは、ほとんどありません。
「○○大学卒業」とか、「〇〇歳」ぐらいの「ふーん」というレベルの情報です。
実は私自身、転職者採用の面接官をしたことがあるのですが、履歴書に目を通す時間は長く見積もっても3分ぐらいです。
新卒の学生であれば、出身校はアピールポイントの一つとなり得ますが、40~50代の転職活動で学歴は参考程度の情報です。
なぜかというと、学歴よりも、職務経歴書に書かれている内容(実績・経験)の方がはるかに重要視されるからです。
ですので履歴書を見ただけでは、この人を採用するかどうかを判断することはほとんどできません。
ですが「この人を採用してはいけない」という判断は履歴書だけでもできます。
これが履歴書を書く上で絶対に知っておいた方が良いポイントです。
突っ込みどころのない履歴書を書くことが一番大切
履歴書を書く前にあなたが知っておくべき大切なことは、企業の採用担当者や面接官に「突っ込みどころ」を与えない履歴書を書くことです。
履歴書の書き方次第では、あなたがマイナス評価を受ける可能性は大いにあります。
仮にあなたの書いた履歴書でマイナス評価を受けてしまうと、それだけで書類選考で落ちる可能性が高くなりますし、転職エージェントからも敬遠される可能性があります。
従って履歴書を書く前に知っておきたいポイントは「突っ込みどころのない履歴書」の作成を心がけることです。
言い換えれば、あなたが作成した履歴書の内容を理由に「落とされない」ようにすることが履歴書作成上の最大のポイントです。
突っ込みどころのない履歴書の書き方
それでは、突っ込みどころのない履歴書とはどんな履歴書なのかを紹介していきます。
履歴書は手書きでないと不採用確定?
いいえ、そんなことはありません。
履歴書はパソコンで作成することをおススメします。
僕のような昭和世代の中高年は「手書きの履歴書でないと誠意が伝わらないのではないか?」と考える人も少なくないでしょう。
昨今の転職市場で「手書きの履歴書でないからダメ」ということは基本的にありません。
僕が提出した履歴書はExcelで作成したものです。3社から内定を頂いた実績があります。
逆に手書きの履歴書ですと、
「この人はパソコンリテラシーがないのか?」
「パソコンが買えないほどの生活環境なのか?」
「文字に癖があり過ぎて読みにくい」etc.
採用担当者に突っ込みどころを与える一因となり得ます。
実は僕の転職活動中に「手書きの履歴書を送付のこと」という指示があった会社が一社だけありました。
何のために手書きの履歴書が必要だったのかは不明ですが、今思い返してみるとあの会社に入らなくて良かったと思っています。履歴書を手書きで書かせるぐらいですから、社内の様々な業務プロセスが非効率となっている可能性があると思ったからです。
和暦か西暦か?
履歴書を概観すると、履歴書の作成日、あなたの生年月日・学歴・職歴など、日付を記入する欄がいくつかあります。
僕は日付を全て西暦に統一して履歴書を作成しました。西暦に統一した理由は、和暦ですと読み手が期間の計算をしにくいと考えたからです。
例えば、昭和51年生まれの応募者が平成15年~令和2年までA社に勤めていた場合、A社に「何歳の時に入社したのか」「何年間在籍していたのか」という計算をしにくいですよね。
西暦に統一していれば、年齢や期間の計算が簡単にできるようになり、企業の採用担当者や面接官に伝わりやすい履歴書となります。
会社によっては、社内文書作成ルールで西暦の使用に統一している場合もあります。
尚、和暦と西暦が混在している履歴書ですと、採用担当者に突っ込みどころを与える一因となりますので、気を付けたいチェックポイントです。
履歴書の記入日に注意
履歴書の先頭に記入する日付にも注意が必要です。
年が明けたのに、昨年の西暦のままだったりするミスが起こりやすいです。原則、その会社に応募する年月日を記入するようにします。
特に何社も会社を受けている場合に起こりやすいのですが、何か月も前の日付の履歴書を提出するのはNGです。
また、記入日が空欄になっている場合も、人事部の担当者からの突っ込みを与える原因の一つとなるでしょう。
履歴書の顔写真
履歴書の顔写真はとても重要です。採用担当者や面接官が必ず見るポイントだからです(1回につき長くて5秒ぐらいですが...)
履歴書に書いた内容は読み飛ばされる可能性が高いですが、あなたの顔写真は間違いなく何度も見られます。
また、転職の採用面接では、入社後にあなたの上司となる方が出席している確率が高いです。あなたの将来の上司は、顔写真を見て、「一緒に働きたいと思う人か」を無意識のうちにチェックするはずです。
従って、履歴書に貼り付ける写真は、できるだけ写真屋さんなどに依頼して、あなたの顔を「より美しく」撮影してもらうことをおススメします。
写真屋さんで撮影してもらう時に、写真データ(例. jpeg形式のファイル)も受け取っておけば、WordやExcelで作った履歴書に写真データを簡単に貼り付けられるので便利です。電子データですので、もちろんハサミも糊も要りません。
最近は画像加工ソフトが発達しているので、顔写真をキレイに加工することができますが、盛りすぎの写真とならないようにご注意ください。採用面接時に「写真が違い過ぎる」という突っ込みどころを与えてしまいますので♪
履歴書に記載する学歴・職歴の書き方
学歴は、高校以降の入学/卒業の履歴を記せば十分です(中学校から記載を求められた企業も1社だけありました)
職歴は、あなたが今まで所属した会社の入退社の履歴が分かるレベルでOKです。
一つの会社に在籍している期間が長い場合は、その会社での異動履歴や担当業務を書いてもよいです。上で述べた通り、職歴は職務経歴書で詳しく書きますので、履歴書に書く内容はシンプルな内容にした方がよいです。
履歴書に記載する賞罰について(ちょっとした工夫)
あなたは賞罰欄に何か記入することがありますか?
賞罰欄に書く項目が何もないのに5~6行分ぐらいのスペースがあるのは、もったいないですよね。
そこで僕は職歴をしっかり記入するために、履歴書フォーマットの賞罰記入欄を1行に変更して「なし」と書くだけにしました。
自分に不要な欄を狭くできることも、履歴書をパソコンで作るメリットの一つです。
履歴書に書く必要がない項目
通常の履歴書フォーマットですと、最後に以下の二つの記入欄があります。
「志望動機・特技・趣味・アピールポイントなど」
「本人希望記入欄(特に給料・職種・勤務時間・勤務地・その他についての希望などがあれば記入)」
僕が実践した書き方からお伝えすると、「志望動機・特技・趣味・アピールポイントなど」の欄は空欄にしました。
また、「本人希望記入欄」は、「貴社の条件に従います」と書いただけです。
志望動機は職務経歴書にしっかり書く
僕は履歴書の狭い欄に志望動機を無理に書くよりも、職務経歴書にしっかり書いた方がよいと考えました。
志望動機は職務経歴と密接に関係があるはずだからです。
一方、履歴書に羅列されただけの職歴の情報では、あなたの志望動機とのつながりが採用担当者には理解できません。
特技や趣味の情報は全く必要ない
40代~50代の転職において、採用担当者があなたの特技や趣味に関心をもつことはないでしょう。
趣味に「サーフィン」と書いてあったとしても、「だから何?」という突っ込みどころを与えるだけです。
履歴書に給料希望額を書く必要はない
あなたにとって関心の高い給料の話です。
普通の会社であれば、職位や役割等級別に定められた給与テーブルの範囲で給料は決定されますので、その範囲から大きく超えることは基本的に無理です。
また僕の経験では、年収希望額は面接で必ず尋ねられました。
従って、履歴書では「貴社の規定に従います」と書き、具体的な金額を書く必要はありません。
40代から50代の転職用履歴書の書き方【まとめ】
・履歴書に書いた内容を理由に「落とされない」書き方を心がける。
・「落とされない」書き方とは、人事担当者や面接官に「突っ込みどころ」を与えない書き方のこと
- 手書きの履歴書は避け、パソコンで作成する。
- 年号は和暦と西暦が混在しないように西暦に統一する。
- 履歴書の記入日は提出日にする。
- 顔写真は重要。できればプロに撮ってもらう。
- 職歴は時系列に淡々と入退社の事実を書く。(実績や自己PRは職務経歴書に記入する)
- 賞罰がなければ、賞罰欄を1行に修正する。
- 志望動機は履歴書に書かなくてOK(職務経歴書にしっかり書く)
- 応募先の業務に関係する特技や趣味がない限り、特技や趣味を書く必要はない。
- 給料希望額を書く必要はない。
以上、全て僕が実践した内容です。
「履歴書をどうやって作ったらよいか?」とお悩みだった方のお役に立てればうれしく思います。
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