「人生このままでいいのだろうか……」
「今の会社に居続けて、本当に後悔しないだろうか……」
40代、50代のミドルシニアから、こうした「漠然とした不安」を打ち明けられる機会は非常に多い。キャリアコンサルタントとして、また人事の責任者として、私は彼らにあえて冷酷な事実を突きつける。
「悩んでいる暇があるなら、今すぐ自分の職務経歴書を外に晒して、現実を突きつけられてこい」

あなたが抱いている不安や停滞感の正体は、高尚な「人生の迷い」などではない。
「自分は今の会社の一歩外に出たら、1円の価値もないのではないか」という、自身の市場価値に対する恐怖と焦りだ。
そして、その現実と向き合うのが怖いからこそ、「人生とは」「本当にやりたいこととは」という哲学的な問いにすり替え、行動しない自分を正当化しているに過ぎない。
厳しいようだが、市場は「悩めるおじさん」に1円も払わない。動かないまま年齢を重ねれば、不安は現実の「手遅れ」へと変わるだけだ。
「夢」を探すな。「再現性のある実績」を売れ

コミック『夢なし先生の進路指導』ではないが、40代50代に必要なのは「夢」や「やりたいこと」といった青臭い幻想ではない。
必要なのは、「自分のこれまでの経験が、他社でどうカネになるか」という冷徹な算盤(そろばん)である。
私自身、50代で転職し、年収1,250万円から1,800万円へと550万円のジャンプアップを果たした。
この時、私が面接で語ったのは「私の夢」でも「やりたい仕事」でもない。
「御社が抱える組織のボトルネックは◯◯だ。私の持つ人事・マネジメントの知見を使えば、◯ヶ月でそれを解決し、これだけの利益貢献ができる」
という、極めて具体的で再現性のある「解決策の提示」だ。
企業がミドルシニアに求めるのは、ポテンシャルではない。
「今すぐ、この課題を解決してくれ」という即効性だ。
漠然とした不安に脳をジャックされている暇があるなら、自らのスキルを棚卸しし、他社で使える武器に磨き上げるのが先決である。
停滞感を打破し、市場価値を覚醒させる3つのステップ

もしあなたが「このまま終わりたくない」と本気で思うなら、今すぐ以下の3つの行動を起こせ。
「自分探し」を辞め、「市場との対話」を始めよ
自己啓発本を読んだり、資格の勉強を始めたりする前に、まずは転職エージェントに登録し、職務経歴書を提出せよ。
社外の人間から「あなたには今、これだけの市場価値(年収)があります」「この経験は他社では通用しません」と、現実の数字でビンタしてもらうのだ。
そこからしか、本当のキャリアは始まらない。
「ポータブルスキル」を言語化せよ
「◯◯部に20年いました」という社内限定の肩書きは、外では一切通用しない。
「異なる環境でも通用する、課題解決力やマネジメント手法」を、具体的な数値(売上、コスト削減率、部下の育成実績など)を交えて言語化せよ。
相手の企業が「うちでもその成果を再現してくれそうだ」と思わせたら勝ちだ。
「現状維持という最大のリスク」を自覚せよ
今の会社に残り続けることは、安定ではない。
会社の業績悪化、役職定年、突然のリストラなど、他人に自分の人生のコントロール権を握らせ続ける「最大のギャンブル」だ。
いつでも外に出られる状態(=市場価値が高い状態)を作ることこそが、唯一の本当の安定である。
退路を断ち、市場の荒波へ飛び出せ

「このままでいいのか」と悩むのは、あなたがまだ「自分の人生を諦めたくない」というエネルギーを残している証拠でもある。
そのエネルギーを、ウジウジと悩む内省に使うのはあまりにももったいない。
厳しいことを言うが、今の会社でただ定年を待つだけの「ぶら下がり社員」になる覚悟なら、そのまま静かに沈んでいけばいい。
だが、もし500万円以上の年収アップを勝ち取り、自分の力で人生を切り拓く実感をもう一度得たいなら、今すぐ甘えを捨てて行動を起こせ。
市場は冷酷だが、確かな実力と覚悟を持つ者には、想像以上の対価を用意して待っている。


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