40代転職で即不採用となる「抱え込みおじさん」。個人の能力に依存する限界
『アカデミアの泳ぎ方 研究の世界に生きるための哲学と実践』の著者・谷内江望氏が語る「個人の能力には限界がある。
大きな仕事をするためには、他者を巻き込む必要がある」という真理。
これは、熾烈な競争が繰り広げられる最先端の研究の世界だけでなく、現代のビジネス界、特に40代・50代のミドルシニアのキャリアにおいても全く同じことが言える。
人事次長として数多くの面接を行ってきたが、40代転職で苦戦し、即不採用となる典型的なパターンが「抱え込みおじさん」だ。
「私が自分で売上を作りました」
「実務は誰よりも自分が一番知っています」
このように、未だにプレイヤーとしての優秀さだけをアピールする中高年が多すぎる。
ハッキリ言おう。
50代にもなって「自分の1馬力」だけで勝負しようとしている人間は、組織にとって「マネジメント能力がない、使い勝手の悪いベテラン兵隊」に過ぎない。
個人の処理能力など、年齢とともに低下する。その限界を認めず、仕事を抱え込み、他者を巻き込めないミドルシニアに、企業は高い年収を払う価値を見出さないのだ。
役職定年を跳ね返す「巻き込みの哲学」。大きな仕事をするための他者活用術

私が52歳で転職し、年収1,250万円から1,800万円へと550万円の大幅な年収アップを勝ち取った際、徹底したのは「自分の無力さを認め、他者のレバレッジ(テコの原理)を最大限にかける」ことだった。
私自身、人事のプロを自負してはいるが、労務の細かい計算や、最新の採用マーケティングツールの実務操作において、20代・30代の優秀な若手社員に敵うわけがない。
その限界を冷徹に受け入れた。
だからこそ、私は自分で実務をこなすことを完全に放棄した。
その代わり、「若手の強みを引き出し、外部の専門家を巻き込み、組織として最大の成果を出すための仕組み(システム)」をデザインすることに特化したのだ。
経営層が40代・50代のリーダーに求めているのは、自分がグラウンドを走り回るスター選手になることではない。
ベンチから組織全体を俯瞰し、適材適所に人を配置してチームを勝たせる「名監督」の役割だ。
「自分一人では何もできない」という諦めから出発し、だからこそ「他者をどう巻き込むか」に知恵を絞る。このコペルニクス的転回ができるミドルシニアこそが、役職定年を回避し、市場価値を跳ね上げることができる。
市場価値を爆発的に高め、1800万を勝ち取る3つのステップ

あなたが「抱え込みプレイヤー」を脱却し、他者を巻き込んで大きな成果を出す「一流の指揮者」に生まれ変わるための3つのステップを提示する。
自分の「能力の限界(弱点)」を冷徹に棚卸しする
まずはプライドを捨て、自分の実務における限界や弱点をノートに書き出せ。
「最新のデジタルツールが使えない」「細かい実務作業に時間がかかる」といった弱点を認めることで、初めて「他者の力を借りるべき領域」が明確になる。
他者を動かすための「共通のビジョンと仕組み」を可視化する
「俺の背中を見てついてこい」という昭和のマネジメントは通用しない。
他者が自発的に動きたくなるような、プロジェクトの「目的(なぜやるのか)」と、誰がやっても成果が出る「再現性のある仕組み」を言葉と数値で可視化せよ。
社外のプロ人材や転職市場にアプローチし「巻き込み力」をテストする
キャリアコンサルタントとして言おう。
あなたの「巻き込み力」が本物かどうかは、社外でしか証明できない。
社外の勉強会を主催する、副業で他社のプロジェクトをサポートする、転職エージェントに「組織マネジメント実績」をぶつけて市場の評価を得るなど、外の打席に立ち、自らの力を試せ(計画的偶発性)。
おわりに:独りよがりの優秀さを捨て、組織のレバレッジをかけよ

耳の痛い真実だが、あなたがどれほど夜遅くまで残業して「個人」で成果を出したところで、会社全体の業績から見れば微々たるものだ。
そんな独りよがりの優秀さは、40代を過ぎれば「老害」の一歩手前である。
生き残りたければ、一人の限界を認めよ。
そして、他者の才能を、組織の力を、信じて巻き込め。
あなたがオーケストラの指揮者のように、多様な人材の力を調和させ、大きな仕事を成し遂げる仕組みを作れるようになった時、あなたの市場価値は1,800万のステージへと一気に引き上げられる。
今すぐ、自分一人の殻を破り、外の世界を巻き込みに行け。

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